『うちの犬が鳥のから揚げを骨ごと10本食べました』 ~診療日記編~

05.212016

この記事は4分で読めます

こんにちは!

最近は春を通り越して初夏の様な日が続きましたね。

こういうバランスが悪い気候が続くと体調を崩す子が本当に多いです。

特に嘔吐下痢など消化器症状が多いように感じます。

 

軽いものならそのまま治る場合も多いですが

症状が強かったり長かったりする場合は こじれたりする前に病院へ行きましょうね。(´∀`ゞ

 

さて、以前に 『犬が鳥の骨を食べたんだけど大丈夫?』

という記事を載せました。

 

今回も『鳥の骨』についての記事なのですが

最近私が診察した子について診療記としてお話しようと思います。

 

 

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 注意点

 

今回の記事は鳥の骨は絶対安全と保証する記事ではありません。

症状はその子によってそれぞれです。 なんでもかんでも自己判断は禁物です。

 

実際に消化管に鳥の骨が刺さったとという飼い主や獣医師を確認しました。

不安な場合は必ず獣医師に相談しましょう!

 

上記をふまえた上で続きをどうぞ~。↓↓

 

 はじめての経験

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先日、 いつもおなじみの患者さん(飼い主さん)が曇った顔をしてやってきました。

 

 

飼い主さん 『先生、うちの子が鳥の手羽先から揚げを骨ごと食べちゃったんです!』

 

 

deddey         『あらら、どのくらい?』

 

 

飼い主さん 『家族用に用意したもので10本は食べてると思います』

 

 

deydey            『うーん10本か・・・・・・・・。 えっ?!骨ごと10本も??』

 

 

私も獣医をやって10年目ですが鳥を骨ごと10本なんて聞いたことなく

思わず飼い主さんを2度見してしまいました。

 

 

飼い主さん 『そうなんです・・いつもは気をつけてるんですが

一瞬のスキをついて一気に食べたみたいで・・』

 

 

deydey         『食べたのはいつごろですか?食欲元気などはどうですか?』 ]

 

 

飼い主さん     『食べたのは夕べです。元気も食欲もありますが今日はごはんを抜きました 。

特に吐いたり下痢などもありませんしケロっとしています』

 

 

特に症状がないことに私も少しホッとしましたが

鳥の骨は溶けるといってもさすがに10本は多いです。

 

しかも揚げたものを大量に食べてるので胃腸炎になるかもしれませんし

ひどい時は膵炎という命に関わる病気になることも予想しなければなりません。

 

 

どこから攻めるか少し迷いましたが触診ではおなかが張っていますし

まずは骨が消化しているかレントゲンで確認することにしました。

 

 

レントゲン撮影

DSCN1823のコピーのコピー

 

このレントゲンは体を横にして撮影したものです。

左が頭側、右はしっぽ側となります。

 

点線のオレンジが胃の全体像

青丸の中にある白くて細い線上のものが鳥の骨ですね。

 

これを食べたのが昨夜。

そして次の日の午前中に来院してるので

食べてから12時間は越えてます。

 

少量の鳥の骨ならとっくに溶けているはずですが

骨の形がばっちり残っています。

 

 

やはり大量に食べ過ぎたことで消化不良を起こしたのでしょう。

胃も通常より大きめであきらかに張っています。

 

ここで強制的に吐かせるか、内視鏡で取り出すかが頭をよぎりました・・・

 

しかし、幸いなことに今回は血液検査で膵炎も否定気味でした。

さらに全く消化器症状がないということから

絶食して点滴入院しながら経過観察をすることにしました。

 

 

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次の日のレントゲン撮影

 

次の日、仕事場に向かってさっそく張本人の様子を伺うと

他の子のゴハンの匂いに目を輝かせていました(’・ω・`)

 

元気もあり消化器症状もなし!

 

鳥の骨のその後をみるために再度レントゲンを撮影しました。

↓↓

DSCN1829のコピー

 

当初のレントゲンにあった骨はほとんど消化されて見えず

絶食にも関わらずまだ少し胃が拡張していますが以前よりも小さくなっています。

 

これはもう大丈夫だろうと判断し

短期間の胃薬だけ処方して退院させました。

 

 

その後も元気いっぱいとのことでしたので治療終了となりましたヽ(´▽`)/

 

 

今回の治療に関する2つのポイント

 

ポイント①:なぜ鳥の骨を取り出す処置をしなかったのか?

 

まず鳥の骨は溶けるということ。

そして最大の理由は 『何も症状がなかった』 ということです。

 

もし嘔吐や元気がないなどの症状が出てた場合は

取り出す処置も考えたかもしれません。

 

 

ポイント②:なぜ入院させたのか?

 

食べてしまった量もさることながら 『から揚げ』 という点が

一番配慮しなければならないところでした。

 

以前記事にもしましたが大量の油分を一度の摂取すると

膵炎という怖い病気を誘発する恐れがあります。

 

また、嘔吐など症状はないものの明らかに消化不良をおこしており

時間が経ってから症状が現れる場合もあるので点滴入院しながら経過観察としました。

 

 

鳥の骨に関する個人的見解

 

今回の症例はなかなか勉強をさせてもらいました。

 

メチャクチャ尖った鳥の骨を大量に丸呑みしたらわかりませんが

やはり鳥の骨は胃に刺さるということは少ないと思います。

 

どちらかというとノドや食道に引っかかったりする方が

よっぼどありえるかもしれませんし危険です。

(まぁこれも私は経験がありません。魚の骨がノドに刺さってた例はありますが・・)

 

 

この記事をご覧のみなさんにおかれましては

鳥の骨を食べた時は様子をみてよいのかはその時の状況がとても重要ですし

獣医師の判断が必要なこともありますので不安な場合はかかりつけに必ず相談しましょう!

 

 

今回は貴重な体験でしたので

飼い主さんに了承を頂いて記事にしてみました。

(飼い主さんありがとうございました!)

 

また新しい体験をしたら更新していきたいと思います。

 

本日も最後までご覧いただきありがとうございました!

 

 

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